映画「すみっコぐらし 青い月夜のまほうのコ」ネタバレ感想/みんな夢を見てる

みんなすみっコぐらしの映画3作目見た? 見たよね? 私も見ました。

で、2作目を見た時の感想記事をアップしてなかったな…と気付いたので今更ですがアップします。
ちょっと加筆もしていますが、大部分は公開当時の感想です。

2021年の私ー!! 2年後に映画3作目来るぜー!!


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【はじめに】

今回も鑑賞済みの方向けに書くのであらすじとかキャストとかは省略します。

必要なリンクだけ貼っておきますね。

youtu.be

以下はネタバレを含みます。

映画1作目「とびだす絵本とひみつのコ」のネタバレもあるので、どちらも鑑賞済みの方向けです。

 

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すみっコぐらし映画1作目は異界に「行く」話、
映画2作目は異界から「来る」話、
として作られているのがまずお見事で大好き。

そしてキービジュアルが出た時から
「眠ってるすみっコたちと夢のキーワードからして、この魔法使いの子はバクなのかな?」
という話が出てたけど、
まさか「夢を食べちゃう」をそんな表現でやるとは思わないじゃん…

「ゆめってなあに?」
という問いはディズニーのラプンツェルにも出てくるテーマで、
私はラプンツェルの答えも好きだし、今作の答えも好きです。
それにしてもたどる道筋がえげつねえけど…

【夢を食べる】

・ふぁいぶが本当にかわいくてかわいくて…

・魔法使いだから「叶ったらいいなあと思うけど今叶ってないもの」=という概念を知らなくて、
子どもだからその「夢」を消してしまったらどんなことが起きちゃうかなんて想像もつかない…
というのがぞっとするほど的確でよかった

・どうやって考えついた展開なのか知らんけど、
「夢を食べるバク」から
「夢という概念を知らないふぁいぶが、純粋な良心に基づいてすみっコたちの夢を消し去ってしまう」
が出てきたならあまりにも天才 そうでなくても天才

【相手を損なってしまう悲しみ】

・子どもがよかれと思って、みんなにお礼がしたくて、
「みんなが悲しい思いをしなくて済むように」
って夢を消しちゃうんだよ…そんなのある…?

・「その人のためを思って行動したのに、結果的にその人を損なってしまう」
っていうめちゃくちゃ悲しい展開が出てくるなんて思わなくて泣きました

・そんなのつらすぎるよバカァ!!!

・世界一かわいい絵柄だけど表現されるシチュエーションが悲しすぎるよォ…

・ふぁいぶが自分の行動の結果に気づいて
「みんなにおれいがしたかったの」
って大泣きするとこ、つらすぎて私が大泣きしそうだった

・泣かないでふぁいぶ…ウウ…

・1作目のひよこ?の選択つらすぎるけど、2作目のふぁいぶの
「自分の善意に基づく行動のせいで、みんなに取り返しがつかないほどひどいことをしてしまった」
もまた違うつらさがある…

・この辺の感情が動く描写が1作目も2作目もすごく巧み

【ひよこ?とふぁいぶの涙】

・1作目でひよこ?がぽろぽろ泣いちゃうのは
「みんなと一緒に行けないことがわかった」瞬間でも
「みんなを見送って手を振る」瞬間でもなくて、
「みんなが帰るための塔が崩れそうになってそれを必死で支える」瞬間だというのが本当に切なくて胸を刺される

・ひよこ?にとって一番悲しさが込み上げるのはここなんだよね…

・2作目のふぁいぶは、「みんなにひどいことしちゃった」と気づいた瞬間もたくさん泣いてるんだけど、
一番涙がドバーッて出ちゃうのは「みんなにおれいがしたかったの」って話すとき

・この辺の「そのキャラクターにとって一番涙が出る瞬間」はどこなのか?
というのが怖いくらい的確、すみっコぐらしはすごい

・ひよこ?もふぁいぶも、一番涙が出るのはものすごい矛盾が生まれたとき

・ひよこ?の気持ちは「みんなと離れたくない」、
だけど行動は「みんなを無事に送り出す」

・ふぁいぶの気持ちは「みんなにお礼がしたい」、
だけど行動は「みんなにひどいことをしてしまった」

・自分の気持ちと行動(あるいはその結果)の矛盾が一番大きく感じられたとき、
涙が一番たくさん出てしまうんだよね…

・詳しくは書かないけど、羅小黒戦記にも同じ的確さが表れてるシーンがある…

【すみっコぐらしのやさしさ】

・でもすみっコぐらしだからちゃんと取り返しはつく。ちょっとおとぼけでコミカルな方法でみんなは夢を取り戻す。よかった…

・魔法使いのきょうだいたちがとっても優しいのもよかった

・ナイトパーティで何回やってもふぁいぶは魔法を失敗するんだけど、
「ほらほら危ないからやめなさい」「まだうまくできないんだからじっとしてて」
なんてことは一度も言わずに、みんなじっとふぁいぶの魔法を見守ってくれるのが好き

・ふぁいぶに自由にさせてかつフォローは迅速に入れてくれる…優しい…

【ねこの"夢"】

・ねこちゃんに夢を取り戻させるくだりもよかった

・「りそうのすがたになりたい」をどうやって思い出させるか…
ってとかげちゃんたちも難しい顔をしてて、
下手なやり方をするとねこちゃんを傷つけてしまう恐れもあるんだけど

しろくまちゃんが「すらっとしたねこ」の絵を描くことでねこちゃんが
「これだー!!」
ってなるのがすごくよかった!

・「今の自分の姿が」で悲しい気持ちになるなんじゃなくて、
「自分がこうなったらとってもいい!」っていう未来の嬉しい気持ちに気づかせる…

・ともするとボディポジティブの真反対を行くような、すごく乱暴な描き方になる可能性があったとこを、
ねこちゃんが一切傷付かず「これだー!!」って嬉しそうに目標を見つける展開にしてくれたのがすごくよかった…配慮された表現…

【特典のミニ絵本】

・あと入場者特典のミニ絵本もめちゃくちゃよかった

・ふぁいぶ…ふぁいぶー!!!修行してるんだね、立派な魔法使いになれるよ…

・とかげちゃんの宝物ボックスにまた宝物が増えたんだね…

【その他、かわいかったところ】

・すみっコたちの日常が垣間見れるお話になっててそれ自体も楽しかった

・普段こんな風に生活してるんだね! キャンプしたりみんなで喫茶店行ったり…そしてたまには終電を逃したり笑

・キャンプ中にみんなおなかいっぱいになってうとうとするところがかわいかった。寝袋姿もかわいい…

・とんかつちゃんとえびふらいのしっぽちゃんが常にサクサクとおいしそうな音を立ててるのも相変わらずよかった

・おてて繋いで歩いてる…

・とんかつちゃんが夢を失ってやさぐれちゃったとき、
いつも表情の変わらないえびふらいのしっぽちゃんがぽろっと泣いてしまうところがあまりにも鮮烈だった

・えびふらいのしっぽちゃんにとってとんかつちゃんがどんなに大事な存在なのか…

・とかげちゃんの「おかあさんがスミッシー」でちょっと緊張してる感じ、
お母さんが世界的に有名な芸能人なのを隠してるみたいな味わいもある…

【映画の結論】

・おかあさんととかげちゃん、どうしても切ない

・一緒に暮らせないけど今回また会ってお空を散歩して遊ぶことができて、
でもやっぱり最後はおかあさんの背中を見送らなければならない…

・最後にふぁいぶが気にしてるのを、とかげちゃんが
「また会いたいな。それがゆめ」
っていうのがこの映画の結論になってて、そこがとてもよかった

・夢が叶わなくてしょんぼりしちゃうこともあるけど、
でも「いつかこうなったらいいな」って思って、
未来のことを想像して嬉しくなって、また明日からも暮らしていくのっていいよねっていう…

・いいよね…

・「ゆめってなあに?」の問いが、
「叶わない夢だったらそんなの最初からないほうが幸せになれるんじゃない?」の展開を経て、
最後この答えに辿り着く

・あまりにも好き

・ふぁいぶが「すてきなまほうつかいになる」という夢を新たに抱いて、
周りのきょうだいたちが「なになに?」「ざんしん!」って興味津々なのもよかった

・全員かわいい、全員推す

・なんでも叶えられるまほうつかいたちにとって「叶うかどうかわからない夢」という概念は出会ったことのないもので、
でもふぁいぶはその概念を知ったんだよね

【ラスト】

・という、切ないけどでも心が温かくなるラストに持っていってくれて、
「ああ見てよかったなあ」とほんわかした涙を流していたら…

・ラストでクリスマスツリーにひよこ?の飾りが…

・急に泣いた

・ひよこ?とみんなでまた遊んでくれ…ウウ…つらい…

・とかげちゃんのおかあさんのぬいぐるみ、
ひよこ?のおかあさんのぬいぐるみがツリーに飾られてて、
そのツリーの一番上にはふぁいぶのお星様があるから、
みんなが「またあの子に会いたいな」って夢を見てるってことなんじゃないかな

・だからきっといつか叶うよ…ふぁいぶがまた5年後に会いにきてくれたときに…

・そうだっていう夢を私も見てる…